昨年6月に食品衛生法ポジティブリスト制度の施行をきっかけに、器の修繕においても素材や方法の安全性がこれまで以上に重視されるようになりました。
本年も金継ぎに向き合う時間そのものを大切にしながら、漆で修理する意味と価値を丁寧にお伝えしていきたいと考えております。


〜外宮参道から発信〜
手に職を持ちものづくりにこだわる人々が集う
『とぶさたて[鳥総立て]プロジェクト』にこのたびご縁をいただき
参加させていただくことになりました。
このプロジェクトの理念に深く共感しています✨
漆の世界でも国産の漆は非常に貴重なものです。
作業で余った漆はたとえわずかでも元に戻して再利用します。
漆が汚れてしまった場合は、和紙で丁寧に漉しその和紙すらも器づくりに活かすことができます。
道具についても同様で蒔絵筆を使用していますが
長く使えるように処置を施し使用後は丁寧に手入れを行います。
そうすることで何年にもわたって大切に使い続けることができます。
教室で蒔絵筆を使う理由として
繊細な金継ぎの技術を蒔絵筆で丁寧に描きたいという思いと
筆職人さんが廃業せず技術を継承していけるようにとの願いも込められています。
技術の大切さはもちろんですが
貴重な漆や自分で使う道具への敬意を教室に通ってくださる生徒の皆さんにも知っていただきたい。
そんな思いからこの教室を始めました。
金継ぎは古来からの修繕方法のため時間も手間もかかりますが
そのぶん仕上がりはとても美しくなります。
近年は「金」の価格高騰の影響で仕上げに色漆を選ばれる方も増えていますが
伝統技法を大切にしながらその時代ごとの楽しみ方を見つけていただければと思います。




『simple』2月号
『NAGI』vol.94 明和町役場 斎宮跡・文化観光課で、町内で発掘された土器を復元する仕事に従事して約10年になります。
明和町は、古くは石器時代からの遺跡や古墳が点在し、平安時代に最も栄華を誇った斎宮跡に代表される歴史の町です。縄文時代から江戸時代にかけての器や遺物が今もなお数多く発掘されています。私はあえて先生から教わった伝統技法で金継ぎを皆さんに伝えていきたい、金継ぎ教室を通してモノを大切にする気持ちの大切さを伝えつつ器の個性を大切にした繕いをしていきたいと考えています。
前田 弘恵

